rxsign_title
ホーム | What's New | おしゃべり | US薬剤師 | アルバニーの歩き方 | 連 載 | USおくすり

  

1. メディケイド

今日の午後は、メディケイドのコンピュータシステムがダウンしていたのでかなり忙しかった。私が働いている薬局がある町には、年々ヒスパニック系の人が増え、うちの患者の3割から4割はメディケイドにお世話になっています。

メディケイドとは州が運営する保険(医療扶助制度)で、65歳未満の低所得者や身体障害者を対象にしています。その運営費にはもちろん州税が使われています。ちなみに今話題のメディケアは国が運営しています。

ニューヨーク州の場合、患者負担は、ブランド品の場合2ドル、ゾロ薬の場合50セントとなっています。でも、低所得者にとてもやさしいので、この負担金は義務ではありません。つまり、たった50セントでも払えなかったら払わなくてもいいのです。喘息や糖尿病などの慢性疾患を持った患者さんにはありがたいのですが、実際には、払えないからではなく払いたくないから払わないという患者が多く、化粧品やおもちゃを沢山買いながら負担金の2ドルを払わないなんて患者を見ると税金納税者としてはたまにブチッと切れることがあります。

日本では生活改善薬として保険が利かないバイアグラも、メディケイドはしっかりカバーしてくれます。州税がこういうふうに使われているなんてあまり知っている人はいないのでしょうね。8月までは月に6錠までの処方箋がOKでした。ところが、いろいろ議論があったのでしょうか、この9月からは90日間で6錠しか処方できなくなってしまいました。常用者はもちろん怒りの鉄拳です。まあ週に一回は夜の王者だったのが3ヶ月に6回しか王者になれないので無理もありませんが...保険なしでも確か10ドルくらいで買えるのでそうしてください、と言いたいですね。

TOP↑




2. シロップさんのバイアグラ

--- 患者とかよべえのテレフォン会話 ---

Kayobe: This is xxx pharmacy. May I help you?

Patient: Hi my name is Phillip Serreno, I have my perscription there and it should be ready. I was wondering if it's still there. Could you check it?

Kayobe: Sure. Your last name is Serreno, and what was the first name?

Patient: Phillip.

Kayobe: ???? Syrup? (蜜? いまだに L と R を聞き取れない日本人かよべえ。)

Patient: PHILLIP (ちょっと Angry 気味)

Kayobe: Oh, Phillip (そういえば、Phillip って言ってたなと思い出す。) Ok hold on.

... (薬を探しに行く。バイアグラだった。)

Kayobe: Phillip, it's still there.

Phillip: Oh good. Listen, I am traveling now and can't come pick it up until next weekend. Can you make sure nobody else come pick it up? My ex-wife might be trying to get it. I don't want that happens. (前の奥さんが取りに来るってことは、新しい彼女との仲をじゃましようとしているのか? それとも前の奥さんが新しい彼氏にあげようとしているのか?)

Kayobe: Ok, I will leave a memo so that nobody give it to anybody else other than you.

Phillip: Thank you.

(実名は使っていません。)

TOP↑




3. Happy Holidays

勤務先の薬局でこんなものが配られた。

To help those who need it this holiday season. xxx pharmacy has adopted a pair of angels for Christmas.

George is 4yrs old. He wears size 6 pjs, slipper, shirt and pants. Coat and sweatsuit size is medium.

Keyla M is 3. She wears size 5 pajamas and slippers, small blowse, size 5 pants, and a medium coat, sweats and gloves. Her dress size is 5.

With over 20 people working here, I think we can help these two have a very nice Christmas. All gifts must be new and will be given anonymously. We will collect all gifts in the office. Every thing should be here by Monday, Dec 15th.

Please talk amongest yourselves to help spread out the gifts so both children get a fair share of gifts. You may follow the above or branch out into toys and treats.

読み終わると、この心温かい行為に涙もろい私は目頭が熱くなってジーンとなった。アメリカでは、クリスマスシーズンをむかえると、会社、学校、病院などあらゆるところでこのように恵まれない子たちを受け入れてみんなでプレゼントをあげるのだ。日本ではあまりない風習で、アメリカにいてよかったと思う瞬間でもある。George と Keyla、どんな子かまったく知らないけど、今から何をあげようかと考えるだけでなんだか幸せな気持ちになってきた。

TOP↑




4. HIV 患者への処方

処方

Videx 200 mg po bid #60 Viread 300 mg po qd #30 Ziagen 300 mg po bid #60 Ranitidine 300 mg po bid #60

というのが来た。Ranitidine 以外は抗 HIV 薬。あまり見ない処方なのでうちに帰ってから本を開いてみる。どれも Nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitor (NRTI、核酸系逆転写阻害薬)。シカゴの講習会のときに少し抗 HIV 薬についてふれたのを思い出し、そのときの資料を引っ張り出す。治療カクテルとして、"2NRTIs plus 1-2 PI or NNRTI" となってる (PI は Protease Inhibitors、NNRTI は Non-nucleoside Reverse Transcriptase Inhibitors)。 NRTI と NNRTI の組み合わせは優れた効果が出ることから Highly Active Antiretroviral Therapy (HAART) と言われる。うーん、この処方はちょっと違うんだけどねぇ。この処方を処理した新人薬剤師も抗 HIV 薬はよくわからんと言っていた。

メモ Videx (Didanosine) Viread (tenofovir) Ziagen (abacavir)

TOP↑




5. 平穏な一日

pharmacy 先週は、サンクスギビング明けということも手伝って月曜日から金曜日まで嵐のような日が続いた... おかげで月曜日は426枚(うちの薬局の新記録、)、水曜日は412枚、残りは380枚以上の処方箋を処理したのだ... 私は一番忙しい時間帯1時から6時まで働いているんだけどたった5時間でもかなりしんどかった。電話はなりっぱなし。レジには常に5人くらいの患者さんが列をなし、Drop off のカウンターにはひっきりなしに患者さんが処方箋を持ってくる。うちでは、処方箋を患者さんごとにブルーのバスケットに入れているのだが、そのバスケットがすべてなくなってしまったくらい。10時から6時までは2人の薬剤師がいるけどその横には30個くらいのバスケットが山済み。ファーマシーテクニシャンは私を入れて3人いたけど、まさに猫の手でも借りたいとはこのことだ。

まあ、そんな先週とは打って変わって今日の薬局は一日滞りなく終わった。忙しくなく暇でもなく...私にいろいろ教えてくれる薬剤師のジョニーと仕事をしたのでいろいろ勉強できた。3ヶ月前からほかの薬局に移動してしまった美人のシンディがバックアップで久しぶりに来て、みんなでワイワイしながらなんともほがらかな一日だった。

(写真:夏ごろ撮った写真。白いジャケットは薬剤師。青ジャケットはテック。左上に上の方に伸びている筒がついた機械はドライブスルー用のエアシュート。日本ではラブホでよく使われてると思う。青ジャケットを着たバーバラの後ろにあるモニタ付でっかい箱みたいな機械は自動ディスペンサー。よく出る薬200薬はこの中に入っていて錠剤を数えてくれる。)

TOP↑




6. Floater Tim のついてない一日

(テレフォン会話)
Kayobe: xxx pharmacy, can I help you?
Patient: Ah, yes. My name is John Wagner. I just picked up my prescriptions, one is Ibuprofen 800mg and the other one is Altace. I was reading the leaflet, and it's said Ibuprofen shouldn't be taken with ACE inhibitor. Altace is an ACE inhibitor right?
Kayobe: Yes, let me put you a pharmacist. Hold on please.

(かよべえは Pharm Techなのでカウンセリングできない。フローティングで来ていたTimがこの処方箋を処理したことはわかっていたのでTimに渡すことに。)

Kayobe: Hey Tim, John Wagner, whom you just filled Ibuprofen 800mg and Altace, is asking an interaction of these drugs. It's line 1.
Tim: What about?
Kayobe: He said the leaflet said don't take Ibuprofen with ACE inhibitors.
Tim: ..... (目が点になっている)

(ほかの電話が来たのでかよべえはそっちの電話を取る。その電話が終わった後もTim はまだ患者に対応していない。いつもジョークでは冴えているのに、なんと言って対応していいのかパニクっている様子。結局、しばらくして新卒ブラッドが一時的な併用なら問題ないのではとチラッと言ったのをそのまま受け入れることにし、Timはすっきりした面持ちで電話をようやく取った。)

Tim: Hi this is a pharmacist. As long as you are not taking them for long time period, It should be fine.

*******************

Timはこの後に来た処方箋 (Tequin 400mg 1TBIDx10 days) にも手こずってしまった。保険でカバーされないというのだ。Days supply を10日から20日に変えたりしてなんとか保険でカバーされないかコンピュータと四苦八苦している(←こんなのあり???)。Tequin 400mg は通常1TQDx10 days だから多分医者に確認を取るべきではと思っていたら、いきなり "This won't be covered by the insurance." と言って処方するのをあきらめてしまっていた。

もちろんこんな調子だったので次の日マネージャはカンカンであったことは言わずと知れたことだ。

* Floating pharmacists とは、特定の薬局に属さず日によって行く薬局が異なる流離い薬剤師のこと。Floating pharmacists は、穴埋め役としてチェーン薬局には欠かせない存在。でも、いわゆる自分の薬局と言える場所がなく、必要最低限のことしかせず多少責任感に欠けるところがある。 * Leaflet とは処方薬の患者向け説明書で、法律で処方薬と一緒に渡すように定められているもの。

TOP↑




7. 別れた妻の抗うつ薬

(テレフォン会話)
Kayobe: xxx pharmacy, may I help you? Patient: Hi ah somebody called and left a message to call back. My name is Susan Jablanski. But before go further, I have to tell you something.
Kayobe: (ゲゲッいやな予感) Ok.
Patient: I just don't know why it happened, but I happened to see my bottle and noticed my phone number is not mine. (よくあるある。引っ越した後に患者さんが連絡しないとこうなるのよね。) Actually it's my ex-husbands. (ガッチョーン) And I just have no idea why you have kept his number in my profile. I have moved from his house in 88. (あら 別れてずいぶん経ってるじゃない) I don't know where you got this phone number from, but I just can't believe it.

Kayobe: Oh I am sorry, I don't know why we have your ex-hus....(これ表現悪いわ) I mean old number, but that number has been in our computer. (全然説得力に欠ける) I really appologize and let me update your phone number right away. How about your address on the bottle?

Patient: We live on same street and just the number is different, but this address is mine. (離婚した後も同じ通りに住んでるのね。)

Patient: Well... and (まだ怒ってる) today somebody called this number which is my ex-husbands and left a message at his home!!!! He called me about it!!!! You know you should protect our privacy under HIPPA law. I need to talk to somebody in charge and also I want to know what the message was about.

Kayobe: Ok, please hold.
(電話を置く)

Kayobe: Did anyone call Susan Jablanski today?
Brad: Not me.
Kayobe: Joany?
Joany: Oh I did I did.
Kayobe: She is really upset.
Joany: I know.
Kayobe:You know? I mean you know that the phone number you callded was her ex-husband?
Joany: Nooooooooooooo I didn' t know. Oh, no I called her ex-husband and left a message about Zoloft!!

TOP↑



(ここに書かれている内容はすべてフィクションです。)



更新日:2-8-04

Copyright © 2003-2004 かよべえ倶楽部 - KAYOBE CLUB